「んっ、んっ、あなた、気持ちいいです」
ゆり子が、控えめなあえぎ声をあげながら抱きついてくる。私は、彼女を抱きしめ、キスをしながら腰を動かし続ける。引き締まった身体、ウェストのくびれもセクシーだ。胸は小ぶりだが、張りがあって形も良い。ムチッとした太ももと大きめなお尻は、上半身のスリムさと少しギャップがある。でも、それが私を強く興奮させる。
最高の身体だと思う。清楚で美しい顔も、私をさらに興奮させる。それなのに、また急速に勃起が弱くなり、中折れ状態になってしまった。思わずゴメンと謝るが、ゆり子は優しく微笑みながら、
「ううん。疲れてるのよ。代わりますね」
と言ってくれる。そして、私の乳首を舐めながら、手で固さを失った男性器をしごき始めてくれた。35歳になり、少し体力が落ちたのを感じる。体力もそうだが、精力もてきめんに落ちてしまった。28歳のゆり子は、まだまだ若々しい。こんな風にセックスが途中で終わってしまうことが続き、申し訳ない気持ちだ。
ゆり子は、上目遣いで乳首を舐めながら、指を絡ませるように刺激してくる。勃起はまだ復活していないが、それでも気持ちいい。こうやって眺めていると、本当に美しい身体をしていると思う。体型もそうだが、抜けるように白い肌がたまらなく妖艶だ。全体的に色素が薄いせいで、乳首も乳輪も色が薄い。ほとんどピンク色に見えるくらいだ。
興奮もしているし、快感も感じている。それなのに、どうしても勃起が復活していかない。ゆり子は、不満そうな顔を見せず、丁寧に心を込めて愛撫を続けてくれている。早く射精しなければ……そう思えば思うほど、どうしても焦ってしまう。
私は、やむを得ず、松井からの動画を思い出し始めた。寝取られ請け負いいたします……最初にそれをネットで見かけた時、あまりに怪しいと思った。同時に、色々なことを考えて、色々な稼ぎ方をする人がいるんだなと思った。
私は、怪しいと思いながらも、そのサイトを見た。そこには、妻や恋人を自然な流れで寝取りますということが書かれていた。ただセックスをするだけではなく、ごく普通に出会い、肉体関係まで持っていくという説明が、実績の紹介とともに書かれていた。
気がつくと、私は全てのページを読みふけっていた。いままでに感じたことのない興奮を感じながら、実績紹介の中の動画まで見た。ごく短いセックス中の動画だったが、あまりにも生々しく、あまりにもリアルだった……。
そのサイトを見て以来、ゆり子が寝取られる場面を妄想するようになってしまった。もともと寝取られ性癖なんて意識したこともなかったし、自分には無縁だと思っていた。それが、完全に目覚めてしまった。そのサイトを見ながらオナニーをするようになり、寝取られジャンルの動画や同人漫画を見るようになってしまった。
いままでに感じたことのない興奮と快感……すっかりとハマりこんでしまった。そして、ゆり子が寝取られる妄想が大きくなり、結局そのサイトに連絡をしてしまった……。
松井は、その業者の男だ。年齢は30歳前後だと思うが、落ち着いた雰囲気で、誠実そうに見えるルックスをしている。イケメンとか男前と言われるタイプではないと思うが、誰にでも好感を持たれるようなルックスをしている。
「そうですね、これくらい教えていただければ、問題ないです。プランはどうしますか?」
松井は、私からゆり子の性格や行動パターンを聞くと、そんな質問をしてきた。この業者は、色々なプランを設定している。大きな要素として、動画を公開出来るかどうかと言うものがある。いわゆるハメ撮り動画の販売許可をすれば、料金は無料になる。写真だけなら、5万円。掲載などは一切不可であれば、20万円と言うことになっている。但し、成功報酬だ。ジャンル的に、性行報酬と言うのかもしれない。
上手く行かなければ一切料金はかからない……そんな内容だ。動画や写真を販売するにしても、顔にはモザイクがかかる。そんなこともあり、このサイトは生々しい動画や画像を販売もしている。
私は、猛烈に迷った。20万はけっこうな額だ。ただ、ゆり子の動画が世に出回るのは避けたい。そんな思いで、写真だけの販売にした。それにも抵抗はあったが、20万と5万はかなりの違いがある。動画では声で身バレする可能性がある気がしたので、結局画像だけにした。
依頼をしたことで、どうなるのか興奮状態になった。その興奮のままに、ゆり子とセックスをした。この時、初めて中折れしてしまった……。興奮はしていた。まだ実行されていない寝取られ……それが上手くいったことを想像し、異常なほどに興奮していた。ゆり子が、松井とセックスをしている姿……想像しただけで、強すぎる嫉妬と焦燥感を感じた。そして、それ以上の強すぎる興奮も感じた。それなのに、自分でも動揺してしまうくらいに急に勃起が弱くなった……。
そして、1週間ほどした時、最初の報告メールが届いた。あまりにも早い展開に、焦ってしまった。いくらなんでも早すぎる……もう、セックスしてしまった? 焦りながらメールを読むと、ゆり子のパート先のカフェに通い始めたそうだ。そして、世間話をする程度にはなったとの報告だった。
ホッとしながらも、ゆり子がパート先のお客さんと仲良く話をしている姿を想像し、嫉妬してしまった。同時に、驚くほど勃起してしまい、そのままオナニーをしてすぐに射精をしてしまった……。
ゆり子の様子には、変化はなかった。まだなにも起こっていないので当然かもしれないが、ゆり子のことを以前よりもよく見るようになった。小さな変化も見逃さないようにと言う心情からだと思う。
そして、こまめに報告メールが届く。松井は、名前を呼ばれるようになったとのことだった。常連客として、すっかりと定着しているようだ。考えてみれば、ゆり子がパート先でどんな子とをしているかなんて、ほとんど考えたことがなかった。常連客や、同じ職場の男性と話をしたりするはずだ。どんなことを話しているか、どんな風に接しているか、想像したこともなかった。
松井からの報告で、ゆり子がバリスタの資格を取ろうとしていることを知った。知らなかった自分の妻の情報を、他の男から聞かされる……ショックを受けながらも、不思議なほどの興奮を感じてしまった。そして、そんな事が増えた。ゆり子がいま、どんなドラマを見てるか、どんな音楽を聴いているか、松井を通して知ることが増えた。それだけのことでも、嫉妬心が大きく膨らみ、興奮までもが大きくなった。
そして、大きな動きが起きた。松井と一緒に、バリスタのグッズを買いに行くことになった……。松井が、選ぶのを手伝うと言うことになったそうだ。松井は、ゆり子がバリスタの資格を取ろうとしていることを聞き、かなり勉強したようだ。知識があるという体でゆり子に接し、グッズ選びを手伝うという流れにしたそうだ。こうやって、距離を詰めていくんだなと驚かされると同時に、ゆり子が他の男と買い物に行くという事実に激しく動揺してしまった。
確かに、ただ寝取られセックスをするだけという展開ではない。ごく自然に距離を詰めている。寝取られ性癖の夫の目の前で、妻が他の男とセックスをする……もちろん、合意の上でする話だが、そういうプレイはよくあるようだ。でも、松井がしていることは、そうではない。本当に自然に距離を詰めていき、最終的には恋愛感情的なものを得てセックスをする……そんな流れだ。そんな事は無理だと思っていた。ゆり子が、簡単に心を許すとは思っていなかった……。
その日が来ても、ゆり子に変化はなかった。今日の午後、ゆり子は松井と買い物に行くことになっている。それは、ある意味では裏切りだ。それでも、ゆり子に動揺も変化も見られなかった。いつも通りの彼女……良い笑顔で送り出してくれる。私は、あの報告はなにかの間違いなのかな? と、思いながら会社に向かった。
ただ買い物に行くだけ……それでも、震えるほどの嫉妬を感じている。そんな気持ちのまま仕事を続け、夕方になった。会社を出ると、スマホを気にしてしまう。松井からのメッセージ待ちだ。
近くのカフェで時間を潰しながら報告を待っていると、松井からのメッセージが届いた。色々バリスタ関係のグッズを買ったあと、昼ご飯を食べたという報告だ。二人きりで食事をした……それは、すでに不貞行為だと思ってしまう。ゆり子がそんなことをしたことにショックを受けながらも、私は射精しそうなほどの勢いで勃起してしまっている。こんなチェーン店のカフェで射精しそうになっている事に動揺しながらも、メッセージを読み進めた。
食事は、楽しそうにしていたそうだ。パート先では年代が同じくらいの人がいないそうで、会話もそれほどないそうだ。そんなこともあり、とにかくたくさん色々な話をしたそうだ。そして、添付ファイルに音声データがあった。動揺しながら再生すると、
「そんなことないよ。私なんて、全然だもん。あのカフェじゃ、もっと若くて可愛い子いっぱいいるから」
と、明るく楽しそうなゆり子の声が聞こえてきた。その口調は想像以上に親しげで打ち解けていて、さらに動揺してしまった。
「そうなんだ。でも、ゆり子ちゃんが一番美人だと思うけど」
松井の声が響く。会った時に感じたとおり、誠実そうな声だ。
「そ、そんなことないよ。私なんて、おばちゃんだもん」
ゆり子が褒められて動揺している。不思議な感覚だ。ゆり子が他の男と楽しそうに会話している……普通なら、こんな音声を聞く事なんてないはずだ。社会生活をしていれば、こんな風にパートナー以外の異性と会話することもある。でも、それをパートナーに聞かれることもないはずだ。
「全然若いでしょ。まだ28だよね? 俺から見たら、全然ギャルだよ」
「え? 松井さんって、同じくらいでしょ?」
「ナイショ」
「なにそれ、女みたいなこと言うんだね」
楽しそうに笑いながら会話を続ける二人。松井は、誠実そうな声で、楽しそうな会話をしている。かなり話術があると思う。さすがに慣れていると思える。
「これ、美味しい。松井さん、こんなお店知ってるんだね。色々な人とデートしてるんでしょ」
なにを食べているのかわからないが、本当に美味しいと感じているような口調だ。
「まぁね。俺、モテるから」
おどけたように言う彼。誠実そうな見た目からこんな言葉が出てくると、きっとギャップを感じるはずだ。
「フフ、そうだよね。松井さん、面白いもん。こんなに話したの、久しぶりだよ。松井さん、結婚は?」